認知症では?と思ったときは何科に行けばいいかというと、
「もの忘れ外来」や「認知症外来」を探します。
総合病院にはあるところが多いです。
「もの忘れ外来」は精神科ですが、
精神科があっても認知症を専門としない病院もあります。
高齢者の割合が多くなってきていることもあって、
最近では地域の診療所でも認知症を診るようになってきているようです。
かかりつけ医があれば相談するのも良いと思います。
はじめての「もの忘れ外来」
もの忘れ外来は完全予約制です。
予約制にすることで、待ち時間を減らし
できるだけ人に顔を合わないようにとの配慮があるようです。
行ってみると待ち合いはドアで区切られた中にありました。
もっとひっそりと待つのかと思っていたら、
待ち合い室では再診の方と付き添いの人たちもいるので
結構人数もいて、人の出入りもありました。
待っている間、ケースワーカーの方が来られ、
電話で話したことに加え、
他に普段の様子や病気はないか?などを訊ねられました。
もの忘れ外来では何をする?
もの忘れ外来の診察内容は
病院や患者さんによって多少の違いはあるようですが
母の診察内容と比べてみても
ほぼ同じような順と内容で行われているようです。
母の受けた診察内容を書いてみます。
◆最初は問診から
今現在どんな生活状態か?どんなことがあったか?
持病やこれまでの病気、飲んでいる薬など
ケースワーカーに話した内容を確認しながら訊ねられます。
それから認知症検査として簡単なテストがあります。
長谷川式簡易知能評価スケールというもので、
認知症を簡単にチェックするために病院でも広く利用されています。
長谷川式簡易知能評価スケール(音楽入り) - YouTube
母のときはこれに加えて
先生が簡単な時計のイラストを書いて、
その中に◯時◯分の時の針を書き入れてください。とか、
5角形(だったか6角形だったか)を書いてください。とか
何かを書いてみるようなこともしていました。
上の認知症検査の中にある質問で、
母は「今日は何月何日?何曜日?」の問いに答えられませんでした。
その日は10月だったのに2月とか、え?あ?4月・・とか。
トンチンカンな答えをしてました。
「ここはどこですか?」にも答えられませんでした。
これは見当識障害(時間や場所が分からなくなる)といわれるものです。
ただ、こんな場面で緊張もあるだろうし、
どう答えていいか分からなくて口ごもっている感じもしました。
私はショックとやっぱり...とが入り混じっていました。
父もそ~か...みたいに頷いていました。
けれど、
100から7を引くと?の質問には即答。速い。
先生が続けて93から7を引くと?それから7を引くと・・?
と聞いてもメチャ速く答えていました。
過去に商売をしていたことや、
買物のお金を記録するのを習慣にしていたおかげかもです。
いや、これにはちょっと驚きました。
こういうところのテストって場所が場所だけに
母のような内向的で上がり症な人には小さなパニックが起こり
普段とは違う結果になることもあるんじゃないかと思いますね。
◆いくつもの検査をまわる
問診のあとはその人に必要な検査が行われます。
血圧を計ったり、血液検査、CTスキャン、
(脳波も調べたかも)などの検査を順番に回りました。
血液検査・・・
一般の血液検査と同じでコレステロール、中性脂肪、肝機能など
の数値から生活習慣病がないか調べます。
認知症の中でも生活習慣病を原因とする認知症もあるそうです。
認知症によく似た症状のでる体の不調も見分けられます。
CTスキャン・・・
脳に腫瘍や血腫がないか、脳の萎縮がないか、を調べます。
認知症だと思っていたら実は腫瘍があって
脳の働きに影響していたということもあります。
また、脳の萎縮が原因ではないかをみます。
脳梗塞の疑いがある場合はMRIの検査をするそうです。
検査では病院内をあっちに行きこっちに行き
たくさん歩きまわりました。
外出するとふらつくからと
ほとんど家から外に出ることのない生活を送っていた
母にとっては身体も精神的にも大変だったろうと思います。
◆検査からの診断と処方
待合いに戻って検査結果と診断を待ちます。
結果、母は初期の認知症と診断されました。
認知症は幾つかのタイプがありますが、
どの種類かは聞かされていません。
脳の状態はきれいで萎縮はないということです。
このとき、
先生から認知症は治療して治ることはなくて、
薬で進行を遅らせることはできるという話があり、
母の場合もその薬を飲んで
月に一回の再診で様子をみることになりました。
ロビーで待って、支払いを済ませる頃には
すっかり暗くなっていました。
お昼過ぎからの半日仕事、
両親もほんとに疲れたことと思います。
一つ思ったこと。
診断結果は母本人もそこで一緒に聞くわけですが、
それを母は自分のことをどんな風に受け取っただろうか・・・と、
そのときふと気になりました。